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NHK大河ドラマ「光る君へ」敦成親王の東宮就任は道長の思惑というか先を見越した最善策だったのか?

  先日、ドラマの解説本(完結編)を買った。 ドラマの先を知りたいわけではなくて 登場人物が余りにも多くてドラマに追いつかなくなってしまったからです。 現代物のドラマならそんなことはないのだけれど みな同じような衣装で、男は面長さんばかり、女は同じ髪型ばかりなので 見分けが出来ないし、役名も漢字がそのまま読めないので、仕方なく解説本のお世話になっている。  さて、新しい東宮に敦成親王に決まった。 父道長の意向が大きい。自分の孫が東宮、そしていずれ天皇になるのは 自分の権力を維持するために必要だったのだが 道長は妻の明子に常々言っていた 子供を権力争いに巻き込むなと(細かい言葉遣いまで記憶していない)らしき 事を言っていた。 もし敦康が東宮になっていたら後見の隆家と道長の権力争いが生じてしまう事を懸念していたのだろうか 隆家と道長が「権力争い」を望まなくても周りの思惑で政が歪められてしまうのは必至である ここは、道長を信じて敦成の東宮を受け入れようと思う。(私は)

NHK大河ドラマ「光る君へ」、最高の台詞はこれだと思った。

緊急投稿!  惟規と紫式部が二人でしみじみと話していた言葉。 何気ない言葉に脚本家さんの心の中が見えたような気がしました。 「・・・きっと、みんなうまくいくよ」 全ての人は心の中にこの言葉を胸に抱いて生きています。 決して口に出して言う言葉では無く 不安や心配につぶれそうなこころを、そっと癒やすために 誰もが心に秘めて、折に触れて思い出し 心の中で叫びあるいは呟き未来に向かい生きていけると 勇気を奮い立たせる言葉なのです。 そしてあなたも、私も、自分の内側に問いかけてみてください 「きっとうまくいくよ」と呟いたことがあるでしょう。 このような言葉を 惟規の口から語らせた脚本家さんに感謝します。

敦康親王の運命や如何に大河ドラマの「光る君へ」源氏物語と紫式部日記で予測する、ネタバレにはならない筈

前回の9月6日放送分 で 一条天皇と亡き中宮定子の息子の藤原敦康親王が藤壺で中宮彰子の膝に乗り戯れていた。 敦康親王は元服を済ませていない子供扱いなのでそんなことを許してもらえるのだが 道長から敦康親王を早く元服させようとしても一条天皇がそれを望まない事により 日取りが延期になったのだ。  これだけならどうということはないのだが、紫式部の書いた源氏物語には 光源氏の実父の桐壺帝の後妻の藤壺(これは名前ではなく宮中内の住んでいる部屋の名前)に 亡き母の面影を見る光源氏は継母と子供という関係を超えて、光源氏の度重なる求めに 最後は無理矢理になるのか、二人は契ってしまう。そのうえ子までなして、その子は 冷泉帝になるのである。  大河ドラマの進行と源氏物語に登場する藤壺の立場が、そっくり重なって見えていて 「光る君へ」ファンで「源氏物語」ファンでもある視聴者の心を弄ぶ様な演出に 前回の放送終了後に私たちは「これからどうなるの」とのたうちまわっているのである。  前回の放送の問題はこれだけではない。 紫式部の娘「賢子」は道長との娘である。道長はまだ気づいてないのであろうか。 紫式部は道長に「賢子の裳着(女子の成人式)のときに何かを下さい」みたいなことを 言った。それって品物ではなくて、もしかしたら賢子の腰紐を結う大役のことか? これは源氏物語の藤裏葉帖の有名な場面なんです。玉鬘の裳着の時に実の父親である頭中将にその大役を任せ、頭中将が実父だと伝えた場面。 贈り物なら、二人にしか解らない絵を描いた扇が贈られるのかしら、と思っている。 いずれにせよ前回の放送は物語の後半から終盤へと向かう大事な回だったのだ。

このうえない 掌編小説風

このうえない  (最上の、これ以上の○○はない)  子供の頃の話をしたい気持ちになった。   誕生日が2月でいわゆる早生まれと言うこともあって、 小学校に入学したときは身体も小さく、俺は朝礼の時はいつも一番前に並んでいた。 一年生の頃は、前の年の4月生まれの子と比べると約10ヶ月の年の差があるので 60歳を超えた今とは1歳の違いが顕著に現れるのもしかたない。  背が小さいだけではなく勉強や運動も遅れていると言ったら言い過ぎだけど 4月生まれの子から比べたら勉強する機会も運動のキャリアも10ヶ月の差があるのだ。  この差はおそらく小学校を卒業しても中学生の制服を着る頃まで埋まらない差なのだろう。  運動会でも走ったりすることは苦手で、玉入れや綱引きのように他の子に混じってする競技は大好きだったけれど、100メートル走などは、参加するのがとても嫌だった。 小学生の頃はマラソンはそれほど中距離ではなくせいぜい200メートルのグラウンドを10周するのが普通だろう。一年生の時は殆ど一生懸命に走らず一番ビリを悠々と走っていた。言い訳は「だって身体が小さいんだもん」で通っていた。  4年生の頃になると短距離走ではまだ体格差があるのでとても一位にはなれないのだが、長距離となるとそうでもない。持ち前のゆっくりと走る、でもじっくりと、そして確実にやり抜く自分の性格が功を奏したのか、化育の授業でマラソンをやって、クラスでトップになることが出来たのである。  嬉しくて、家に帰ると直ぐお母さんにそのことを話した。 お母さんは涙を流しながら嬉しそうに 「頑張ったんだね良かったねぇ」とその後の言葉は涙で出てこないようだった。 その夜、お父さんが帰ってくるまで俺は起きていられずに寝てしまった。  お母さんがお父さん話したのだろうか。翌朝、俺はそんなことを知らないからお父さんに昨日の子とを話した。嬉しい気分と夕べお父さんに話せなかったことが悔しくて、俺は顔をくしゃくしゃにして興奮しながら話をしたのだ。  「あのね、昨日マラソンでクラスで一番になったの、俺さ身体が小さいけど最初からトップを走って一度も誰にも抜かせなかったんだ。先生も途中から頑張れって、俺に向かって大声で叫んでたよ。嬉しくて手を振ったら、バカしっかり前を向いて走れだって、自分で俺に声を掛けたくせにさぁ、先生だって悪いん...

手だれ

  手だれ  (優れた腕前の持ち主)  まだ少年の面影を残し、美しい顔と芸事に秀でた16歳の光り輝く男。 名前は光源氏と呼ばれる。本名は明らかにされていないが、その輝くばかりの美しさから 光る君と女君からよばれ、いつしか光る源氏、光源氏と呼ばれるようになった。  光源氏は世間から言われているような女たらしではない どちらかというと奥手で口数も少ない。子供の頃は若くしてなくなった母親を求め 夜、夜具に入るとシクシクと泣く。父親はそんな光源氏を心配して後妻をもらう決心をした。  表向きは光源氏のためといいながら、口実に後添いを貰うのである。 しかも妻となる女は前妻と瓜二つの若い女君なのだ。 歳は光源氏と四つしか離れていないのだ。  幼い頃から母のいない光源氏はまだ若い継母に恋をするのは 避けて通れない事だったのかも知れない。 光源氏は口実を作っては継母の部屋に出入りしては甘えるのである 継母の方も自分とそっれほど歳の離れていない光源氏の来訪を嫌がることも無かった  光源氏が18歳になったころ、継母の部屋に入り突然に涙を流した 継母が「如何されました」と問うても泣くばかり 「光さまはもう18歳におなりになりました、    子供のように泣いてばかりでは可笑しいですわ」 継母も光源氏が泣き虫なのはわかっている、 このまま帰すのも可愛そうだと思った。 継母のお腹には夫との子を宿しているのだ、 このままこの子と契っても不自然なことはなにもあるまい。 その夜、光源氏は自分の部屋に帰らなかった。 しばらくして継母に子が生まれた。 「光さま、可愛い子ですわね」 そう言っただけなのに光源氏は言葉も出ず、全てを飲み込み唸った。 継母は光を手中に収めたと思った。 夫にもしもの事があっても自分の後見(後見)は盤石だ 若くて美しい男君の光源氏は継母の思いのままになった。 源氏物語では光源氏が桐壺帝の後妻の藤壺と浮気をするのだけど 藤壺の方が一枚上手だったという物語です。

ろうたけた

  ろうたけた  (優美な、洗練された美しさ)  薄汚れたビルの間になにも敷かずそのまま座り、 父と母と男の子の家族が激しく口論をしていた。 父親はビルの壁に寄りかかりタバコをふかしている。 母親は髪の毛を掻きむしり、うんざりと言う顔をして父親に罵声を浴びせた。 「あんたね、そんなんだからお金が貰えないんだ。もっとしっかりとおやり」 妻は激しく夫を罵った。二人の間で寝ている子供は、 小さいながらも生意気に帽子を被り火の付いていない束kを加えていた。 それもその筈、まだ10歳にも満たないほんの子供なのだ。 子供なのに背広と背中でクロスしたベルトの付いたズボンを履いているのは理由があった。 この家族は二週間に一度、街から街へ旅をする芸人一家なのだ。 街の真ん中に市が立ち、広場には多くの待ち人で賑わっていた。 広場の中央には噴水があり、その脇に陣取って軽業を見せていたのだが、 子供がとんぼ返りをして父が受け止めながら、後ろへよろよろと倒れる芝居が 上手くいかず、本当に後ろに倒れてしまい父は腰を強く打ってしまった。 その後の段取りが全部ダメになってしまったのだ。 「あんたがねえ、ちゃんとしないから、いい恥さらしだったじゃない。 あたしだって、続けて笑いを取ろうとしてあんたの尻を蹴ったら本気で痛がって まるで、あたしが一人で悪者になっちゃったじゃない」 「ごめんってさっきから言ってるじゃないか、許してくれよ」 父はそう言いながら痛む腰をさすっている。 「父ちゃんも母ちゃんもやめろよ」 ボクが大きくなって重かったんだよ、この前だって父ちゃん言ってたじゃないか この芝居ができるのはあと少しだなって。 母は息子に目をやり 「この子ったらいつの間に一人前のこと言うようになっちまった。 お前が小さくて可愛いかったから客が銭をはずんでくれたじゃないか」 息子が二人を庇うように両手を広げ、肩に手を回し掴んだ 「もう芸人をやめよう、ボクも働くよ。父ちゃんは昔みたいに床屋でもやればさあ、 母ちゃんは昔は歌を歌ってたんだろ、ダンスだって見事なもんさ、父ちゃんが惚れたのも 無理はないさ。あの頃みたいに笑って暮らそうよ」 街一番の大きな教会の鐘が鳴る。 「そろそろ帰ろう」と声が聞こえたようだ 誰もなにも言わないのに三人は顔を見合わせ帰って行く。 ビルの間に佇み、だんだんと身体が薄く透き通って...