介護作文:テーマ「介護と幸せ」(投稿用)
介護作文の募集があったので書きました。
小さなくしゃみと笑顔
介護の仕事を始めて3年が過ぎた。様々な介護を一通り経験したと思っているけど、まだまだ未熟だ。私の年齢は62歳。この仕事を選んだきっかけは家族が要介護になってしまった時のことを考えて、介護を勉強すること。そして母親への介護は一年近く続けた。介護度5の母親へのお世話は、自分を含め家族が一丸となって行って来たが、今年の一月に母の最期を看取り気が抜けてしまった。
それでも私の経験を必要としてくれる人が近くにいた。兄嫁の母親が要介護の状態になり、病院から退院して自宅に帰ってきたけど突然のことでとても困っている、と聞いて翌日には兄にの所へ駆けつけた。寝たきりのお婆ちゃんはお話も殆ど出来ない。おなかが空いているのかトイレへ行きたいのかも解らない状態だという。お婆ちゃんと最初に顔を合わせたときに私は、顔を半分隠しているマスクをずらし、笑顔を見せた。そしてマスクを付け直して「あなたの娘さんのぉ旦那さんのぉ弟です」と耳元で伝えた。小さく頷いたように見えた。どうやらお話は出来なくても耳は聞こえているようだよ、と義姉に伝えた。心配なのはお婆ちゃんよりも、お爺さんの方だと義姉は気にかけているようだった。
それでも私の経験を必要としてくれる人が近くにいた。兄嫁の母親が要介護の状態になり、病院から退院して自宅に帰ってきたけど突然のことでとても困っている、と聞いて翌日には兄にの所へ駆けつけた。寝たきりのお婆ちゃんはお話も殆ど出来ない。おなかが空いているのかトイレへ行きたいのかも解らない状態だという。お婆ちゃんと最初に顔を合わせたときに私は、顔を半分隠しているマスクをずらし、笑顔を見せた。そしてマスクを付け直して「あなたの娘さんのぉ旦那さんのぉ弟です」と耳元で伝えた。小さく頷いたように見えた。どうやらお話は出来なくても耳は聞こえているようだよ、と義姉に伝えた。心配なのはお婆ちゃんよりも、お爺さんの方だと義姉は気にかけているようだった。
夕飯にお粥を用意して貰って私が少しずつ食べさせてみたら、思いの外パクパクと食べていた。義姉は「おなかが空いていたのかな」と涙ながらに言った。お婆ちゃんはどうしたことかクシュンと小さなくしゃみをした。そして自分でもビックリしたのか瞑ったきりの目を大きく開いて見せた。口元を手で覆い上目遣いで前を見て恥ずかしそうに笑顔を見せた。突然のことで私たちもビックリしてしまった。前に座ってお婆ちゃんの食事の様子を見ていたお爺ちゃんが「婆さんのくしゃみって可愛いだろ、まだ嫁に来る前の若かった頃の面影が残っているみたいだ」お爺ちゃんのこの一言で皆が爆笑し、その場が一気に和んで、皆の顔に笑顔が浮かんだ。
「介護の大変な部分があることは解っているけど、今みたいにけっこう楽しい事もあるんだよ」と話した。私は「とりあえず介護施設へ入所の手続きを急いでやるように」と勧めた。介護の分担って家族内でのこともそうだけど、介護施設と家族で分担することなんだ。と伝えて自宅へ帰ってきた。
「介護の知識があれば介護って大変なこともあるけど、それ以外はぜんぶ楽しいことだよと」65歳の兄に言いたかったんだけど伝わったかなあ。
お婆ちゃんはデイサービスに通うようになり、朝と夜は家族でお世話することになったそうだ。兄さんから電話で「おまえが来てくれていろいろ教えてくれて良かったよ、嫁さんも喜んでた」電話の声から笑顔が想像できた。私も自分が役に立ったと感じ嬉しかった。思えば家族全員が笑顔になっていた。こんなしあわせな気持ちになれたことを感謝せずにいられない。
「介護の知識があれば介護って大変なこともあるけど、それ以外はぜんぶ楽しいことだよと」65歳の兄に言いたかったんだけど伝わったかなあ。
お婆ちゃんはデイサービスに通うようになり、朝と夜は家族でお世話することになったそうだ。兄さんから電話で「おまえが来てくれていろいろ教えてくれて良かったよ、嫁さんも喜んでた」電話の声から笑顔が想像できた。私も自分が役に立ったと感じ嬉しかった。思えば家族全員が笑顔になっていた。こんなしあわせな気持ちになれたことを感謝せずにいられない。
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